がん免疫療法とは
がん免疫療法は、患者自身の免疫でがん細胞を攻撃する治療法
がん免疫療法とは、手術・抗がん剤・放射線治療の標準治療に次ぐ第4のがん治療です。患者様ご自身の免疫細胞によって癌を殺傷する方法で、抗がん剤のような重い副作用はありません。
がん免疫療法の種類
がん免疫療法には、保険診療で受けられる治療(免疫チェックポイント阻害薬、CAR-T細胞療法など)と、自由診療で受ける先進的・独自の治療(免疫細胞療法、遺伝子治療など)があります。
1. 保険診療で受けられる免疫療法
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免疫チェックポイント阻害薬(オプジーボ・キイトルーダなど)
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CAR-T細胞療法(白血病など一部の血液がんで使用)
など
保険が適用され、科学的根拠も確立されていますが、対象がん種や条件が限られています。
2. 自由診療で受けられる免疫療法
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免疫細胞療法(樹状細胞ワクチン療法、NK細胞療法など)
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遺伝子治療 など
より個別化された治療が可能ですが、費用は全額自己負担となり、効果や安全性については慎重な判断が求められます。
当院は自由診療でがん免疫療法を行っております。α-GalCer+WT1樹状細胞ワクチン療法を軸に、免疫チェックポイント阻害薬やNK細胞療法など複数の免疫療法を掛け合わせた複合的な治療が強みです。
がん免疫療法の治療費用(当院の場合)
以下は当院で行っている治療方法の費用です。※税込み表記
がん免疫療法の副作用
がん免疫療法は、従来の抗がん剤治療に比べて副作用が少ないとされていますが、特有の副作用が起こることがあります。
特に「免疫チェックポイント阻害薬」などの治療では、免疫の働きが過剰になることで自己免疫反応が生じ、全身のさまざまな臓器や組織に副作用が現れる可能性があります。これらは「免疫関連有害事象(irAE)」と呼ば れます。
※免疫関連有害事象(irAE):免疫が過剰に働き、正常組織にも炎症が起こる事象(間質性肺炎、大腸炎、甲状腺機能障害、肝・腎機能障害、皮膚障害、1型糖尿病、神経障害など)
WT1樹状細胞ワクチン療法においては、発熱や注射部位の発赤・発疹など軽度なものが多く、アレルギーや拒絶反応などの重篤な副作用はみられません。
副作用の頻度や程度には個人差があります。治療前や気になる症状がある際には医師と十分に相談することが重要です。
がん免疫療法に期待できる効果
がん免疫療法は体への負担が少なく、幅広い患者様に適応できる治療法として期待されています。
① 副作用が少なく、体への負担が少ない※1
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自分の免疫細胞を利用するため、抗がん剤や放射線治療に比べて副作用が少なく、体力や年齢に関係なく治療を受けやすい。
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高齢者や体力が低下した方でも治療が可能。
※1 免疫療法特有の副作用がある場合がございますので、治療前に十分に医師とご相談ください。
② 標準治療が難しい場合にも対応できる※2
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手術や抗がん剤、放射線治療が難しい進行がんや末期がんの方にも適応しやすい。
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がんの種類や進行度に関わらず、幅広いケースで治療が検討できる。
※2 免疫療法の適応は、最新の検査データを確認したうえで判断されます。まずは医師にご相談ください。
③ 再発・転移の予防効果
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標準治療後の再発や転移のリスクを下げる効果が期待されている。
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体内に残った小さながん細胞にも免疫細胞が働きかけることで、再発防止に役立つ。
④ 他の治療との併用による相乗効果
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手術や抗がん剤、放射線治療と併用することで、治療効果の向上や副作用の軽減が期待できる。
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標準治療で効果が出にくい場合にも、免疫療法を組み合わせることで治療の幅が広がる。
⑤ QOL(生活の質)の維持
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副作用が少なく、通院治療も可能なため、治療中も日常生活を維持しやすい
がん免疫療法の注意点
一方で、がん免疫療法には注意すべき点もいくつかあります。
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効果に個人差がある
がんの種類や進行度、患者様の免疫状態により効果には差があります。
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治療まで時間がかかることがある
特に樹状細胞療法などは、患者様の血液から細胞を採取し、培養・加工に2〜3週間かかります。
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自由診療は高額な費用負担がある
保険適用外のため、治療費用はすべて自己負担となります。事前に費用の確認が必要です。
免疫力の強化は長期生存率の改善に必要
抗がん剤や放射線治療によりがんが縮小した場合でも、免疫が低下している状態では、生き残ったがん細胞が増殖し 再発する可能性が高くなります。
進行がんであっても、長期的な予後をみた時に樹状細胞などのがん免疫療法を併用した場合としなかった場合では大きな差が出ます。
図に示したのは、進行性非小細胞肺がんにおけるがん免疫療法の影響を調べた二重盲検試験による治験第Ⅲ相の結果です。

がん免疫療法の併用により全生存期間は2倍弱に上昇しています。(5年生存率で併用ありは81.4%、併用なしは48.3%)。
同様にオプジーボなどの免疫チェックポイント阻害剤の使用によって免疫が上手くがん細胞を攻撃してくれるようになると長期的な予後が明らかに改善することが世界的に知られています。
がん特異的免疫反応が十分に得られていることが長期生存率の改善に必要であり、がん治療のみならずがん再発予防の観点からも免疫力の強化は必要不可欠と言えます。
がん免疫療法をより深く理解するために
がん細胞がなぜ増殖し、なぜ免疫ががんに対してうまく働かなくなるのか――こうした疑問に答えながら、がん免疫療法の仕組みや考え方を解説します。
がん免疫療法の基本的な考え方
近年のがん治療は、分子を標的とする方法から、細胞レベルでがんを攻撃する方法へと進化しています。もともと私たちの免疫細胞には、がん細胞を攻撃する能力が備わっています。従来の治療法と組み合わせつつ、最終的には免疫細胞ががん細胞をしっかりと排除できる状態を目指す――これが「がん免疫療法」の根本的な考え方です。
この分野の大きな進歩として、2018年に本庶佑教授らが「免疫チェックポイント阻害因子の発見とがん治療への応用」でノーベル生理学・医学賞を受賞しました。免疫チェックポイント阻害薬によって、免疫細胞が再びがん細胞を攻撃できるようになることが証明され、がん免疫療法が世界的に認められるきっかけとなりました。

がん細胞が増える仕組み
正常細胞が遺伝子をコピーして分裂増殖する際に、様々な遺伝子変異を生じて発生した異常細胞(以下では広義でがん細胞と呼びます)は免疫細胞によって除去され続けています。しかしそのうち免疫細胞からの攻撃をかわす遺伝子変異を獲得したがん細胞が発生し、それが増殖して集塊を形成します。

がん細胞は健常者でも毎日5,000個は発生していると言われるが免疫細胞がそれらを除去し続けている。

免疫細胞に攻撃されない仕組みを獲得したがん細胞を除去できなくなる。

がん細胞は増殖し続け原発巣ができ、遠方の免疫細胞も抑制する仕組みも獲得すると転移巣が生じる。
この細胞は更なる遺伝子変異によってがん原発巣から離れた部位での免疫機構をも制御し始め、様々な臓器に転移巣を生じるようになると考えられます。
樹状細胞と免疫の仕組み
樹状細胞は、がん細胞特有の「がん抗原」を取り込み、その情報をリンパ球(T細胞)に伝える司令塔の役割を果たします。T細胞はこの情報をもとに、がん細胞を目印にして攻撃を開始します。
1
樹状細胞ががん細胞を認識し、目印(がん抗原)を得る

2
樹状細胞がその目印をT細胞に伝える

3
T細胞が目印を頼りにがん細胞を攻撃する

免疫ががん細胞を攻撃できなくなる理由
がん細胞は、樹状細胞の働きを妨害したり、がん抗原を認識できなくすることで、T細胞に攻撃命令が出ないようにします。これが、がんに対する免疫反応が起こりにくくなる大きな原因の一つです。
抗原提示細胞の中でも、樹状細胞は特に強力 な「司令塔」であり、未成熟なT細胞を成熟させ、がん細胞への特化した攻撃命令を出すことができる唯一の細胞です。
がん免疫療法は、こうした免疫の仕組みを最大限に活かし、がん細胞への攻撃力を高めることを目指した治療法です。

当院のがん免疫療法の種類
当院ではがん免疫療法のなかでも樹状細胞ワクチン療法、免疫チェックポイント阻害剤、NK細胞療法などの治療を提供しています。
各種の免疫療法を併用することで多方面からがんを攻撃することが可能となり相乗効果が生まれます。
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東京都千代田区外神田4丁目14-1
秋葉原UDXビル6階クリニックモール
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