脂肪由来幹細胞治療
Adipose Stem Cell therapy
なぜ幹細胞治療が注目されるのか
この問いに対する答えは非常に簡単です。幹細胞だけが傷ついた細胞を修復し、ダメージを受けた組織を根本的に復活させうるからです。
そもそも老化こそが万病の元であり、老化は端的に言えば幹細胞数の減少が原因です。新生児と比較すると80歳代では幹細胞数は1/200にまで減少すると言われています。その結果、全身臓器の機能が低下していき、疾患を生みます。
幹細胞数の減少による影響
幹細胞数の減少がどれほど大きな影響を与えるかは皮膚で考えれば一目瞭然です。若い人の皮膚(表皮と真皮)には幹細胞が多いためハリがあり、傷がついてもすぐに治ります。しかし加齢と共に幹細胞数が減少すると皮膚の組織を十分に再生できなくなるため皺が深くなり、シミなども増えてきます。
同様の現象が人体の全ての部位で生じています。幹細胞数の減少による組織や臓器の機能低下によって機能が破綻するとさまざまな疾患が発生します。癌、心筋梗塞、脳卒中の3大死因だけでなく、認知症やフレイルなどあらゆる疾患が元を正せば幹細胞数の減少によるものです。
幹細胞数の減少が老化であり、疾患の原因であるのだから幹細胞を補充して身体を若返らせようという発想は極めて単純かつ本質的です。
当院の治療
当院では患者様ご自身の脂肪組織に由来する幹細胞を培養して投与する自家脂肪組織由来幹細胞療法を行っています。脂肪組織内の幹細胞は加齢性の影響を比較的受けにくく安定しているとされ、また脂肪組織は採取が簡便で患者様への侵襲性も低いことから一般的に最も多く行われています。
間葉系幹細胞のメリット
体性幹細胞には造血幹細胞、神経幹細胞など5種類の幹細胞がありますが、そのうち間葉系幹細胞が最も多くの種類の細胞に分化することができます。
間葉系幹細胞は1970年代に骨髄中で発見され、骨髄由来幹細胞として臨床応用への取り組みが行われてきました。
2001年には皮下脂肪中にも間葉系幹細胞があることがわかり、骨髄と比べて容易かつ大量に採取できるというメリットから注目を集めるようになりました。
近年、間葉系幹細胞は神経や血管など、別の体性幹細胞からしか分化できないと考えられていた細胞にも分化することが判明し、幅広い疾患への応用が期待されています。
適応症と期待される効果
脂肪由来幹細胞治療の副作用・リスク
幹細胞は患者さんの脂肪から集めますので、脂肪採取の際の傷口は手術後数週間程度にわたり発赤、腫脹、疼痛が続くことがあります。幹細胞治療は患者さん自身の免疫細胞を治療に用いるので、軽い発熱、発疹等が見られる場合が稀にあります。
しかし、それ以外の重篤な副作用は見られず、身体への負担がほとんどありません。担癌患者以外で幹細胞治療が癌を誘発するという報告は今のところありません。
脂肪由来幹細胞治療の費用
点滴
3,355,000円/回(税込)