症例実績・治験状況
-樹状細胞ワクチン療法の治療症例-
症例1
63歳女性 膵臓がん(StageⅣa)
がんが大きく手術不能で抗がん剤で治療を受けていた。WT1樹状細胞ワクチンと活性化リンパ球療法を併用したところ腫瘍マーカー(CA19-9、DUPAN)が減少し始め、8か月後には手術を行える程度までがんが縮小した。

症例2
68歳男性 膵体部癌(StageⅣb)
抗がん剤にWT1樹状細胞ワクチン療法を併用したところ腫瘍マーカー(CA19-9)の低下を認め、抗がん剤を段階的に減量していくことができた。また多数の肝転移巣も7か月後に消失した。

症例3
肺扁平上皮癌(StageⅣ)
発見時にすでに腫瘍が大きく手術は不可と言われた。治療半年で腫瘍は縮小しているが、化学療法の副作用が出現し、患者本人は化学療法を中止したいと考えている。


【免疫治療前】

【6か月後】
症例4
肺扁平上皮癌 多発肝転移、両側副腎転移、骨転移(StageⅣ)
化学療法を実施したが癌が増悪したため、3rdラインとして別種の化学療法を実施しながらWT1樹状細胞ワクチン療法とイピリムマブ点滴を実施したところ治療17か月後にはほとんどの癌が消失した。矢印の臓器は黒く映っているが正常を示す。

【免疫治療前】


【17か月後】
症例5
子宮頸癌未分化癌(広汎子宮全摘術後) 肺・肝多発転移(StageⅣ)
化学療法(パクリタキセル、シスプラチン)を実施するも増悪したため中止となった。免疫治療前の状態で余命3か月と宣告されたが、治療開始後に肝臓転移巣が著明に縮小し、ほとんど消失した。

【免疫治療前】


【10か月後】
症例6
乳癌 肺・脊椎肋骨多発転移(StageⅣ)
診断時で既に治療開始前の状態。殺細胞剤の使用に関しては患者本人が副作用を懸念し拒否。3か月の治療で多発縦郭リンパ節と多発腰椎転移が著明に縮小し、腰痛も消失した(〇の部分)。


【免疫治療前】

【3か月後】
症例7
肺扁平上皮癌 多発肝転移(StageⅣ)
化学療法を実施も肝転移巣が出現した。WT1樹状細胞ワクチン療法に加えイピリムマブ点滴を実施したところ治療4か月で肝転移巣は消失。肺原発巣も縮小した。

【免疫治療前】


【4か月後】
樹状細胞ワクチン療法の症例実績
本院で行っているWT1樹状細胞ワクチン療法は、約15年前より全国の医療機関に提供されており、これまでに約12,200症例の実績があります(2019 年12月末現在)。特に難治性の末期膵癌での症例数が多いのが特徴です。

WT1樹状細胞ワクチンにおけるがん種ごとの症例実績

疾患制御率
WT1がんワクチンの治験状況
がん抗原WT1を使用したがんワクチンは大手製薬会社と医師により複数の治験が進められています。
今後、保険への収載も期待されており、また治験が開始されるがんの種類も増えていくと予想されます。
