乳頭がんとは? 〜予後良好ながんの正しい理解と向き合い方〜
- 院長 永井 恒志
- 2025年6月10日
- 読了時間: 5分
更新日:2025年10月1日

「乳頭がん(にゅうとうがん)」という言葉を聞いて、「乳がんと関係があるの?」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
実は乳頭がんは、甲状腺にできるがんの一種であり、「乳房のがん」とはまったく異なるものです。
乳頭がんは、甲状腺がんの中で最も多く、最も予後が良いがんとして知られています。
この記事では、乳頭がんとはどのようながんなのか、治療法、再発リスク、予後、そして生活への影響などをわかりやすくご紹介します。
乳頭がんとは?甲状腺がんの中で最も多いタイプ
甲状腺とは、のどの付け根にある小さな臓器で、代謝やエネルギーをコントロールするホルモンを分泌しています。
この甲状腺に発生するがんのうち、約90%以上を占めるのが「乳頭がん」です。
乳頭がんの特徴は以下の通りです:
比較的若年〜中年層の女性に多い(男女比は約1:3)
がんの進行は非常にゆっくり(低悪性度)
リンパ節転移があっても予後は良好
数年、数十年かけて経過することも珍しくない
乳頭がんの症状と発見されるきっかけ
多くの場合、自覚症状がほとんどないのが乳頭がんの特徴です。
健診の超音波検査(エコー)で偶然発見
のどのしこりに気づいて受診
声のかすれや飲み込みにくさ(まれ)
近年は、健康診断や人間ドックで偶然見つかる無症状の乳頭がんが増えています。
乳頭がんの診断方法
診断は主に以下の流れで行われます。
頸部超音波検査(エコー):しこりの形、大きさ、石灰化の有無などを確認
穿刺吸引細胞診(FNA):細い針で甲状腺のしこりから細胞を採取し、顕微鏡でがん細胞の有無を判定
CT・MRI・血液検査:周囲のリンパ節や他の臓器への転移を調べる
診断された場合、がんの大きさ・転移の有無・年齢などを元に「リスク分類」され、治療方針が決定されます。
治療方法と予後
手術(甲状腺部分 or 全摘手術+リンパ節郭清)
乳頭がんの基本治療は手術です。
がんの大きさや広がりに応じて:
片葉切除(片側の甲状腺のみ)
全摘手術(甲状腺全体+リンパ節)
が選ばれます。
放射性ヨウ素内用療法(RAI)
術後、微細な転移を消す目的で行われることがあります。
ヨウ素を取り込む性質を持つ甲状腺がんにだけ使える特殊な治療で、海外では根治治療の一環として使われることもあります。
ホルモン補充療法(チラーヂン)
甲状腺を切除した場合、ホルモンが出なくなるため、生涯にわたり薬で補う必要があります。
1日1回の内服で、生活に支障はほとんどありません。
再発リスクとフォローアップ
乳頭がんは非常に予後が良いがんですが、局所リンパ節再発や再手術の必要性があるケースもあります。
初回手術から10年以上たって再発する例もある
首のリンパ節・気管周囲などの再発が多い
転移しても進行はゆっくりで命に直結しないことが多い
そのため、手術後も年1回程度のエコーや血液検査での定期フォローアップが推奨されます。
乳頭がんの予後(生存率)
乳頭がんはがんの中でも最も予後が良い部類に入ります。
10年生存率は90〜95%以上
手術を適切に行えば再発しても治療可能
高齢者や転移例でも20年以上生存されている方も珍しくない
患者様の多くが、がんと共に穏やかに生活し続けることが可能です。
まとめ:「乳頭がん」は治療可能な“ゆっくり進むがん”
乳頭がんは、他のがんとは異なる特徴を持つ、“治る可能性の高いがん”です。
進行もゆっくりで、再発しても命に関わらないケースが多く、過度に恐れる必要はありません。
ただし、がんであることには変わりないため、
正しい診断と適切な治療
継続的なフォローアップ
自分の体との向き合い方
を大切にしながら、日常を大切に生きるというスタンスが大切です。
当院はがん免疫療法専門のクリニックです。
銀座鳳凰クリニックは、「患者の『生きる』にすべてを尽くす」をモットーに、転移がんや進行がんの患者様に対して免疫細胞治療を専門的に提供しています。

当院では、患者様ご自身の血液から免疫細胞を取り出し、体外で増殖・活性化させた後、再び体内に戻すことで、免疫細胞ががん細胞をより効果的に認識し攻撃するよう促す治療を行っています。
主な治療法としては、
など患者様一人ひとりの状態に合わせて最適な治療法を提案しています。
※治療の適応や併用の可否に関しては医師にご相談ください。
さらに、院内に細胞培養加工施設を併設しているため、採取から培養・品質管理・投与までを院内で完結でき、外来通院で治療を受けていただけます。
銀座鳳凰クリニックは、患者様一人ひとりのがんの状態やご希望に合わせて、そのときどきで最適な治療をきめ細かくご提案しています。
標準治療が難しいと診断された方や、治療の選択肢に迷われている方も、まずはお気軽にご相談ください。
-当院はがん免疫療法専門のクリニックです-

■記事を書いた人
銀座鳳凰クリニック院長
永井 恒志
医師、医学博士(東京大学)、東海大学大学院客員准教授。東京大学医学部附属病院内科研修医を経て、東京大学大学院医学系研究科の文部教官時代に大型放射光施設SPring8を利用した多施設共同研究(国立循環器病研究センター、東海大学ほか8研究機関)をリードし、多数の国際医学雑誌に論文を発表した。
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