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〈がん免疫療法専門〉ステージ4のがん治療

ステージ0ってなに? ― がんの「いちばん早い段階」

  • 執筆者の写真: 医師 柳井 啓文
    医師 柳井 啓文
  • 11月6日
  • 読了時間: 5分

子宮頸がんを表すイラスト

がんの診断で「ステージ0(ゼロ)」と言われると、「え?ステージってⅠとかⅡとかじゃないの?」と少し不思議に思われる方も多いかもしれません。 でも、この「ステージ0」は、実はとても大切な意味を持っています。


ここでは、がんの“いちばん早い段階”であるステージ0について、わかりやすく説明します。



「ステージ0」は“がんの卵”のような状態


がんは、もともと正常な細胞が少しずつ性質を変えていき、増えすぎたり周りに広がったりする病気です。 その進行の“ごく初期”――つまり、まだ周囲の組織に広がっていない段階を「ステージ0」と呼びます。


医学的には「上皮内がん(じょうひないがん)」ともいわれます。上皮とは、体の表面や臓器の内側を覆う“薄い膜のような部分”で、そこにできた異常細胞が、まだその膜の中にとどまっており周辺組織へは拡がっていない状態です。


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例えるなら、芽が出る前のタネのようなものです。広がる前に見つかった段階なので、早期発見の中でも“最も早期”といえます。


いずれはこれらの細胞ががん化し、周辺の正常組織へ拡がる可能性がある状態です。




ステージ0が見つかる代表的ながん


ステージ0は、検診や内視鏡検査などで偶然見つかることが多く、発生した組織の種類によって、多くの異なるタイプがあります。


  • 上皮内腺がん:子宮頸部、肺、消化管

  • 上皮内乳管がん:乳房

  • 上皮内扁平上皮がん:皮膚、口腔、喉頭




ステージ0の治療と予後(よご:治療後の見通し)


ステージ0の段階で見つかった場合、治療でほぼ完治が期待できます。多くの場合は、手術や内視鏡的な切除で病変を取り除くだけで治療が完了します。


  • 再発のリスクは非常に低い

  • 抗がん剤や放射線治療が不要なことが多い


ただし、「すでにがんになりやすい体質」や「他の場所に新しいがんができるリスク」がある方もいるため、定期的な経過観察が大切です。




免疫の力を保つことも大切


ステージ0で治療を終えた方は、「もう終わり」と思われるかもしれませんが、体の中では常に“がんになりかけの細胞”が生まれています。それを日々見張っているのが「免疫システム」です。


最近の研究では、NKT細胞(免疫の司令塔のような細胞)が、がん細胞を早期に察知して排除する役割を持つことがわかっています。このNKT細胞を活性化する治療法として、


  • αGalCer樹状細胞ワクチン療法

  • NKT三種免疫細胞療法 などが注目されています。


当院の治療


これらの治療は、再発リスクの軽減や「がんの芽」を抑える補助的治療として期待されています。当院では、これらの治療をがん患者様に提供する他にも、リスクの高い患者様に対して予防として提供することもあります。




ステージ0は「気づけたこと」が何よりのチャンス


ステージ0は、がんが「まだ動き出す前の小さな芽」のような状態です。


適切な治療を行えば、ほぼ完治が期待できる非常に早い段階であり、早期発見が鍵となります。早期発見には、検診などを定期的に受けるなど、健康に対する意識を高めることが重要です。最近ではリキッドバイオプシー検査など、いろいろな早期発見のためのツールが開発されスクリーニングとリスク評価の目的に利用されています。


健常な体の中でも日々がんの芽は生まれています。それでも、免疫がしっかり働いていれば多くは自然に抑え込むことができます。それでも発生してしまったものは検診で早めに見つけ、治療後も免疫を整えることで、がんの再発を防ぎ、健やかな毎日を過ごしていきましょう。生活習慣の見直しや免疫力を保つことが、将来の健康を守るカギとなります。




当院はがん免疫療法専門のクリニックです。


銀座鳳凰クリニックは、「患者様の『生きる』にすべてを尽くす」をモットーに、転移がんや進行がんの患者様に対して免疫細胞治療を専門的に提供しています。


銀座鳳凰クリニックの受付
銀座鳳凰クリニックの受付

当院では、患者様ご自身の血液から免疫細胞を取り出し、体外で増殖・活性化させた後、再び体内に戻すことで、免疫細胞ががん細胞をより効果的に認識し攻撃するよう促す治療を行っています。


主な治療法としては、


など患者様一人ひとりの状態に合わせて最適な治療法を提案しています。

※治療の適応や併用の可否に関しては医師にご相談ください。


さらに、院内に細胞培養加工施設を併設しているため、採取から培養・品質管理・投与までを院内で完結でき、外来通院で治療を受けていただけます。


銀座鳳凰クリニックは、患者様一人ひとりのがんの状態やご希望に合わせて、そのときどきで最適な治療をきめ細かくご提案しています。


標準治療が難しいと診断された方や、治療の選択肢に迷われている方も、まずはお気軽にご相談ください。


-がん治療・免疫療法について-




銀座鳳凰クリニック医師  柳井 啓文

■記事監修

銀座鳳凰クリニック医師

柳井 啓文

医師・医学博士。救急・集中治療医としてドクターヘリなどの救命最前線で重症患者の治療に携わる一方、オーストラリアで基礎・臨床研究に従事し複数の国際研究グループを主導、100編超の英語論文を発表。救急現場で培った判断力と先端研究で得た科学的視点を併せ持ち、再生医療・細胞治療の医療実装を推進している。


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