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癌の転移とステージ|種類や生存率

  • 執筆者の写真: 銀座鳳凰クリニック 編集部
    銀座鳳凰クリニック 編集部
  • 3月21日
  • 読了時間: 5分

更新日:4 日前


※イメージ画像

がんの転移が見つかると、今後の治療や余命に対する不安を抱かれる方が多くいらっしゃいます。本記事では、転移がんのステージ分類や生存率の目安、転移の種類や原因、治療法の選択肢についてわかりやすく解説します。


近年注目されている免疫療法についてもご紹介します。


■記事監修
銀座鳳凰クリニック院長
永井 恒志
医師、医学博士(東京大学)、東海大学大学院客員准教授。東京大学医学部附属病院内科研修医を経て、東京大学大学院医学系研究科の文部教官時代に大型放射光施設SPring8を利用した多施設共同研究(国立循環器病研究センター、東海大学ほか8研究機関)をリードし、多数の国際医学雑誌に論文を発表した。
 





1. 癌が転移した場合のステージ


癌の進行度はステージ(病期)によって分類されます。癌の大きさが大きい場合や、リンパ節転移が拡大している場合は「ステージ3(Ⅲ)」、癌が他の臓器に転移している場合は「ステージ4(Ⅳ)」と診断され、いずれもいわゆる進行癌として治療の難易度が急激に高まる段階です。


  • ステージ1~3:原発部位にとどまるか、周囲のリンパ節に拡がる。

  • ステージ4:遠隔転移が見られる(例:肺、肝臓、骨、脳などへの転移)。



2. 生存率や余命


ステージ4の癌は進行が進んでいるため、がんの種類に関わらず生存率は非常に低いのが現状です。以下は代表的ながんの5年生存率の目安です。

がんの種類

ステージ4の5年生存率(目安)

肺がん

8%

胃がん

6.2%

大腸がん

17.2%

肝がん

5.1%

※参考:がん情報サービス「院内がん登録生存率 集計結果(https://hbcr-survival.ganjoho.jp/search)」。(診断年:2015年/病期:Ⅳ期/年齢:全年齢/性別:男女)


ただし、これは平均値であり、個々の症例によって大きく異なります。近年では免疫療法や標的治療などの発展により、延命やQOL(生活の質)の向上が期待されています。



3. がん転移の種類と体への影響


がんが転移すると、身体に様々な影響を及ぼします。転移の種類によって、発生する症状や治療の選択肢も変わります。

がん転移の種類

体への影響

リンパ行性転移

がん細胞がリンパ液に乗り、リンパ管を通じて広がる。リンパ節の腫れが見られることがある。肺のリンパ管に癌が広がった状態を癌性リンパ管症と呼び、呼吸困難感が強く、予後が極めて悪い。

血行性転移

血液の流れに乗って遠隔臓器へ転移する(例:肺、肝臓、骨など)。肺転移では呼吸困難、肝転移では腹痛や黄疸、骨転移では痛みを生じることがある。様々な臓器の機能障害を起こすことで多臓器不全の原因となる。

胸膜あるいは腹膜播種

胸腔内や腹腔内にがん細胞が広がる。胸膜播種は肺がんや乳がんで、腹膜播種は胃がん、膵臓がん、卵巣がんで多い。胸水または腹水の貯留が見られることがあり、いずれも呼吸困難の原因となる。



4. なぜ転移するのか?


がん細胞は通常の細胞と異なり、以下のような特徴を持つため転移しやすいです。

細胞増殖のコントロールが効かない

永遠に細胞分裂を繰り返す。

血管新生を促す

自身の増殖に必要な栄養を取り込むためにがん専用の血管を作り出す。

免疫回避

体内の免疫細胞からの攻撃を逃れる。

細胞の接着性が低い

細胞同士の結合が弱く、容易に剥がれて移動する。

これらの性質により、がん細胞は体内のさまざまな場所へ広がりやすくなります。



5. 転移がんの治療法の選択肢


転移がんの治療には、複数のアプローチがあります。患者の状態やがんの種類に応じて、以下の治療法が選択されます。


  • 手術療法:転移が限局している場合、がんを摘出することで症状の改善が期待される。

  • 化学療法:抗がん剤を用いてがん細胞を攻撃する。全身に効果があるが、副作用も考慮する必要がある。分子標的薬も化学療法の一種である。

  • 放射線療法:特定の転移部位(骨転移など)に照射し、がんを縮小したり症状を緩和したりする。

  • 免疫療法:がんに対する免疫システムを活性化し、がん細胞を攻撃させる。近年、注目され、「第四のがん治療」と呼ばれている。



6. がん免疫療法の必要性とメリット


近年、がん治療の選択肢として免疫療法が注目されています。免疫療法は、体内の免疫システムを活性化し、がん細胞を攻撃する治療法です。



がん免疫療法のメリット


  • 全身治療が可能:全身の免疫系を活性化させるので全身のがんに有効。

  • 副作用が少ない:従来の抗がん剤や放射線治療に比べて身体のダメージが極めて少ない。

  • 治療効果の持続:免疫記憶により長期間がん細胞を攻撃できる。



適用可能ながん


免疫療法はすべてのがんに適用できるわけではありませんが、特に以下のがん種で有効性が示されています。


  • 肺がん(特に非小細胞肺がん)

  • 悪性黒色腫(メラノーマ)

  • 腎細胞がん

  • 一部の胃がん、大腸がん

  • 膵臓がん

  • 乳がん

  • 膠芽腫

  • 卵巣がん

  • 子宮体がん



当院で治療実績のある転移がん


当院は樹状細胞ワクチン療法を軸とした免疫療法を提供し、さまざまながん種の治療を行っております。



まとめ


転移を伴うがんはステージ4と診断され、標準治療でも成績が悪いのが現状です。転移巣を含む全身状態を正確に把握し、適切な治療法を選ぶことが極めて重要です。


近年は免疫療法の発展により、生存期間の延長やQOLの向上が期待できるようになりました。しかし、がん免疫療法全般に精通した専門医はまだ非常に少ないため、がん免疫治療に関する詳しい情報や相談は、がん免疫療法を専門に行っている医療機関で行うことをおすすめします。



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