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〈がん免疫療法専門〉ステージ4のがん治療

見えにくい「目のがん」 ― 気づきにくいけれど確かに存在する病気

  • 執筆者の写真: 医師 柳井 啓文
    医師 柳井 啓文
  • 3 日前
  • 読了時間: 6分

更新日:2 日前

免疫によって外部からの敵をはじき返しているイラスト

目は私たちが外の世界を「見る」ために欠かせない器官です。しかしその「見る」ための臓器にも、がんができることがあります。「目にがんなんてできるの?」と思われる方も多いでしょう。

実は、目のがん(目の腫瘍)は比較的まれですが(全がんのうちのわずか0.1-0.2%)、放っておくと視力だけでなく命にも関わることがあります。


ここでは、あまり知られていない「目のがん」について、深く掘り下げてみましょう。



「目のがん」ってどんな病気?


医学的には「眼腫瘍(がんしゅよう)」と呼ばれます。がんができる場所によって、次のように分けられます。


  • 眼球内のがん(眼内腫瘍)網膜やぶどう膜など、目の中に発生するタイプ。


  • まぶたや結膜のがん皮膚がんや粘膜がんと似た性質を持つタイプ。


  • 目の周り(眼窩:がんか)にできるがんリンパ腫や転移性腫瘍(体の他の場所から来るがん)が多いです。


つまり、「目のがん」といっても一種類ではなく、もとは自身の細胞ですので、がんのできる部位や細胞の種類によって性質が大きく異なります。




代表的な目のがん


ぶどう膜悪性黒色腫(メラノーマ)


成人の目のがんで最も多いタイプです。「黒いほくろのようながん」が目の奥のぶどう膜(虹彩・毛様体・脈絡膜)にできます。進行すると視力低下、視野欠損、飛蚊症(小さな虫のような影が見える)などが起こります。転移しやすく、特に肝臓への転移が問題になります。

発症頻度は人口100万人あたり約5〜7人程度(米国データ)とされ、日本ではさらに少ないといわれます。


網膜芽細胞腫(もうまくがさいぼうしゅ)


小児に多く発生する目のがんです。1歳前後で気づかれることが多く、「写真を撮ると片方の瞳だけ白く光る」「視線が合わない」などがサインになります。遺伝的な要素を持つことがあり、早期発見での治癒率は90%以上と高い一方、進行すると脳や骨に転移することもあります。


結膜がん・まぶたのがん


まぶたの皮膚や白目の部分(結膜)にも、がんができます。慢性的な紫外線暴露やヒトパピローマウイルス(HPV)感染が関与している場合もあります。「できもの」「白っぽいシミ」「しこり」が長く続くときは注意が必要です。




目のがんはどうやって見つけるの?


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目のがんは、痛みがないまま進行することが多く、早期発見が難しい病気です。以下のような症状が続くときは、早めに眼科を受診しましょう。


  • 見える範囲が欠ける

  • 黒い影や光のちらつきが増える

  • 瞳の色が変わった

  • 目の中に「白い反射」が見える(特に子ども)

  • 治りにくいできものがある


眼底検査や超音波、CT・MRIなどで診断を進めます。




目のがんの治療法 ― 「見える」と「命」をどう守るか


治療の目的は、「命を守ること」と「できるだけ視力を残すこと」。この2つのバランスを取りながら治療が進められます。


  • 放射線治療:眼球を残しながら腫瘍を照射する。特にメラノーマに用いられる。


  • 手術:腫瘍が大きい場合は眼球摘出が必要になることも。


  • 抗がん剤・免疫療法:網膜芽細胞腫などで全身治療を行うことがあります。


最近では、免疫の力を利用した新しい治療が注目されています。




目のがんにおける免疫療法の可能性


ぶどう膜メラノーマのような目のがんは、免疫が働きにくいという特徴があります。そのため、通常の抗がん剤や放射線治療では効果が限られることがあります。


最近では、「自分の免疫の力を使ってがんを攻撃する」免疫療法が注目されています。なかでも、NKT細胞という特別な免疫細胞を活性化する治療が期待されています。

NKT細胞は、がんを直接攻撃するだけでなく、他の免疫細胞を呼び覚ます“司令塔”のような存在です。このNKT細胞を強化する方法として、


  • αGalCer-樹状細胞療法(免疫を活性化する治療)


  • NKT三種免疫細胞療法(NKT細胞を増やして戻す治療)があります。


当院の治療


これらを組み合わせることで、免疫の力を高め、目のがんの再発や進行を抑える可能性があると考えられています。まだまだ研究段階ではありますが、今までのレジメン(治療計画)に加えることのできる、新しい選択肢として今後に期待が持てます。




まとめ ― 目の変化に気がつくように


「目のがん」はまれですが、放置すれば失明や命の危険もある病気です。視力の変化や瞳の色の変化は早めに眼科でのチェックをおすすめします。早期発見で治療法の選択肢が広がり、視力を残せる可能性も高まります。新しい免疫療法(樹状細胞ワクチン療法・NKT三種免疫細胞療法など)は、難治性の目のがんに対する希望の光となりつつあります。


「見える」だけでなく、「気づく」ことが、目と命を守る第一歩です。




当院はがん免疫療法専門のクリニックです。


銀座鳳凰クリニックは、「患者様の『生きる』にすべてを尽くす」をモットーに、転移がんや進行がんの患者様に対して免疫細胞治療を専門的に提供しています。


銀座鳳凰クリニックの受付
銀座鳳凰クリニックの受付

当院では、患者様ご自身の血液から免疫細胞を取り出し、体外で増殖・活性化させた後、再び体内に戻すことで、免疫細胞ががん細胞をより効果的に認識し攻撃するよう促す治療を行っています。


主な治療法としては、


など患者様一人ひとりの状態に合わせて最適な治療法を提案しています。

※治療の適応や併用の可否に関しては医師にご相談ください。


さらに、院内に細胞培養加工施設を併設しているため、採取から培養・品質管理・投与までを院内で完結でき、外来通院で治療を受けていただけます。


銀座鳳凰クリニックは、患者様一人ひとりのがんの状態やご希望に合わせて、そのときどきで最適な治療をきめ細かくご提案しています。


標準治療が難しいと診断された方や、治療の選択肢に迷われている方も、まずはお気軽にご相談ください。


― ステージ4・末期がんでも諦めない免疫治療 ―

TEL:03-6263-8163




銀座鳳凰クリニック医師  柳井 啓文

■記事監修

銀座鳳凰クリニック医師

柳井 啓文

医師・医学博士。救急・集中治療医としてドクターヘリなどの救命最前線で重症患者の治療に携わる一方、オーストラリアで基礎・臨床研究に従事し複数の国際研究グループを主導、100編超の英語論文を発表。救急現場で培った判断力と先端研究で得た科学的視点を併せ持ち、再生医療・細胞治療の医療実装を推進している。


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