80代の前立腺がんステージ4 ― 高齢者ならではの治療選択と生活の工夫
- 院長 永井 恒志

- 2 日前
- 読了時間: 5分

80代で前立腺がんのステージ4(遠隔転移あり)と診断されたとき、「もう年齢的に治療は難しいのでは?」「副作用に耐えられるのか?」といった不安を感じる方も多いでしょう。
しかし、治療法や生活の整え方は、年齢や体力に応じて柔軟に選ぶことができる時代です。
ここでは、高齢者に特化した治療選択と、生活の工夫について解説します。
高齢者の前立腺がん ― 進行が遅いことが多い
前立腺がんは、比較的進行の遅いがんとして知られており、80代以上の高齢者では、すぐに命に関わることは少ないことが多いです。実際、「がんはあるが、寿命を迎えるまで症状が出ない」ケースもあります。
しかし、ステージ4(骨や他臓器への遠隔転移)であれば、症状(骨痛など)や進行リスクに対して適切な対応が必要です。
高齢者だからこそ「治療の柔軟性」が大切
高齢の患者様では、年齢や持病(糖尿病、心疾患など)、体力の状態を考慮しながら、治療の負担と効果のバランスをとることが重要です。
主な治療選択肢
ホルモン療法(アンドロゲン除去療法)
比較的副作用が少なく、骨転移などの進行を抑える標準治療。
新規ホルモン剤(エンザルタミド、アビラテロン)
高齢者でも内服で使用可能。体への負担が少ない。
放射線治療(ピンポイント照射)
骨転移の痛み軽減に有効。数回の通院で済む場合も。
抗がん剤(ドセタキセルなど)
高齢者には副作用が重く出ることもあるため、体力に応じて慎重に判断。
副作用への配慮 ― 無理をしない治療方針
高齢者では、副作用が出たときの回復力が低くなる傾向があります。
以下のような症状に対する予防・緩和が重要です。
食欲不振、体重減少 → 栄養補助食品や訪問栄養指導
筋力低下 → 無理のないリハビリや体操
痛みや倦怠感 → 緩和ケア薬の併用
「治療を受けること」そのものよりも、「快適に暮らせること」が治療の目的となります。
生活の工夫とサポート体制

高齢者が前立腺がんと共に暮らすには、日々の生活の工夫とご家族・地域の支えが欠かせません。
日常生活の工夫
トイレの工夫(夜間の照明、手すり設置)
栄養バランスの良い食事を無理なく
定期的な通院の付き添いサポート
無理のないスケジュールでの活動
ご家族・医療との連携
医師や訪問看護と連携し、「今どのように過ごしたいか」を共有
家族の介護負担が大きいときは、地域包括支援センターや在宅医療チームの利用も検討
緩和ケア=最期の医療ではない
「緩和ケア」と聞くと、「もう何もできない」という印象を持つ方もいますが、実際はがんと共に生きるための医療です。痛み、不安、呼吸の苦しさなどを和らげることで、その人らしい生活を支える役割があります。
治療と併用して、早期から導入することで大きな安心につながります。
まとめ:年齢ではなく「その人に合った治療」を
80代で前立腺がんステージ4と診断されても、「もう高齢だから」とあきらめる必要はありません。今は、治療の「強さ」より「優しさ」や「納得感」が求められる時代です。
積極的治療を選ぶ人もいれば、穏やかに生活を整える人もいる。
大切なのは、「自分がどう過ごしたいか」という思いです。医師や家族とよく話し合い、自分にとって最善の選択をしていきましょう。
当院はがん免疫療法専門のクリニックです。
銀座鳳凰クリニックは、「患者様の『生きる』にすべてを尽くす」をモットーに、転移がんや進行がんの患者様に対して免疫細胞治療を専門的に提供しています。

当院では、患者様ご自身の血液から免疫細胞を取り出し、体外で増殖・活性化させた後、再び体内に戻すことで、免疫細胞ががん細胞をより効果的に認識し攻撃するよう促す治療を行っています。
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TEL:03-6263-8163

■記事監修
銀座鳳凰クリニック院長
永井 恒志
医師、医学博士(東京大学)、東海大学大学院客員准教授。東京大学医学部附属病院内科研修医を経て、東京大学大学院医学系研究科の文部教官時代に大型放射光施設SPring8を利用した多施設共同研究(国立循環器病研究センター、東海大学ほか8研究機関)をリードし、多数の国際医学雑誌に論文を発表した。





