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がん免疫療法を専門とする自由診療クリニック

前立腺がんステージ4と免疫療法 ― 進行がんにどう向き合うか

  • 執筆者の写真: 院長 永井 恒志
    院長 永井 恒志
  • 6月12日
  • 読了時間: 5分

更新日:6月12日

治療に関して話している夫婦と男性医師

前立腺がんのステージ4(遠隔転移あり)と診断された場合、「もう治らないのでは…」という不安に襲われる方も多いかもしれません。


しかし、近年の医療は大きく進歩しており、進行がんであっても「がんをコントロールしながら生活する」ことが可能な時代になっています。


今回は、前立腺がんステージ4の治療選択肢と、注目される免疫療法について詳しく解説します。


銀座鳳凰クリニック院長 永井恒志
■記事執筆
銀座鳳凰クリニック院長
永井 恒志
医師、医学博士(東京大学)、東海大学大学院客員准教授。東京大学医学部附属病院内科研修医を経て、東京大学大学院医学系研究科の文部教官時代に大型放射光施設SPring8を利用した多施設共同研究(国立循環器病研究センター、東海大学ほか8研究機関)をリードし、多数の国際医学雑誌に論文を発表した。




ステージ4の前立腺がんとは?


ステージ4とは、前立腺がんが骨やリンパ節、肺、肝臓などに遠隔転移した状態を指します。この段階では、がんを完全に取り除く(根治する)ことは困難とされ、がんの進行を抑えてQOL(生活の質)を保つことが治療の目的となります。




ステージ4の前立腺がんの主な症状


  • 骨転移:背中や腰の痛み、骨折しやすさ

  • 泌尿器症状:尿の出にくさ、頻尿、血尿

  • 全身症状:倦怠感、食欲不振、体重減少


特に骨への転移が多く、痛みが生活の質に大きな影響を与えることがあります。




前立腺がん治療の基本 ― ホルモン療法


前立腺がんは、男性ホルモン(アンドロゲン)に依存して増殖する性質があります。そのため、ステージ4でもまず行われるのが「ホルモン療法(アンドロゲン除去療法)」です。

 

  • 内服薬や注射でテストステロンの分泌を抑える

  • がんの進行を数年単位で抑えることが可能

 

ただし、一定期間後に効果が薄れ、「去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)」に進行することがあります。




前立腺がん進行後の治療 ― 抗がん剤・新規ホルモン剤


  • ドセタキセル(抗がん剤):CRPCに対する標準治療

  • アビラテロンやエンザルタミド(新規ホルモン療法):副作用が比較的少なく、長期的な効果も期待

  • 放射線治療:骨転移による痛みの軽減に有効




注目される「免疫療法」と前立腺がん


近年、がん治療の新たな選択肢として「免疫チェックポイント阻害薬」が注目されています。これらは、がんによって抑えられた免疫機能を回復させ、自らの免疫でがんを攻撃する治療法です。




前立腺がんでの適応は限定的


現時点で、前立腺がんに対して免疫療法が大きな成果を示している例は限定的ですが、以下のような例では効果が期待されています:

 

・MSI-H(マイクロサテライト不安定性)陽性の前立腺がん

・遺伝子変異(BRCA2など)に関連する症例

・ワクチン療法やCAR-Tなど研究段階の免疫療法

 

海外ではSipuleucel-T(細胞ワクチン療法)がFDA承認を受けた治療法として知られていますが、日本ではまだ一般的な治療としては導入されていません。




治療選択の際に大切なこと


  • がんのタイプや遺伝子情報を調べる(がんゲノムプロファイリング検査)

  • 副作用や体への負担を考慮する

  • 治療の目的(延命か、QOL重視か)を明確にする

  • セカンドオピニオンの活用

 

ステージ4と診断されても、「どこまで、どのように治療するか」は、患者さんご自身の意思が最も大切です。




まとめ:進行がんでも「生きる選択肢」はある


ベッドで体を起こしている男性と話す男性医師

前立腺がんステージ4は治癒が難しい病期ではありますが、進行を抑え、生活を整えるための治療は多数あります。また、治療を続けながら新しい免疫療法や臨床試験の情報にアクセスすることも、未来への希望につながります。


「自分らしい人生をどう続けるか」という視点で、医療チームと連携しながら治療方針を決めていきましょう。


\ 初回医療相談は無料です。/

03-6263-8163

(受付 10:00-17:00※祝日休み)




当院は免疫療法専門のクリニックです。お気軽にご相談ください。


銀座鳳凰クリニックは、「患者の『生きる』にすべてを尽くす」をモットーに、がんの患者様に対して免疫細胞治療を専門的に提供しています。


銀座鳳凰クリニックの受付
銀座鳳凰クリニックの受付

当院では、患者様ご自身の血液から免疫細胞を取り出し、体外で増殖・活性化させた後、再び体内に戻すことで、免疫細胞ががん細胞をより効果的に認識し攻撃するよう促す治療を行っています。


主な治療法には、WT1樹状細胞ワクチン療法NK細胞療法免疫チェックポイント阻害剤などがあり、患者様一人ひとりの状態に合わせて最適な治療法を提案しています。


特にWT1樹状細胞ワクチン療法は、患者の血液から単球を採取し、院内の細胞培養加工施設で樹状細胞へと育て、がん抗原WT1を記憶させて体内に戻すことで、キラーT細胞を介してがん細胞を攻撃する仕組みです。


この治療は、標準治療が難しい末期がんや複数の臓器に転移した場合にも適応される場合があり、放射線治療や他の治療法との併用も可能です。

※治療の適応や併用の可否に関しては医師にご相談ください。


また、院内に細胞培養加工施設を併設しているため、採取から培養・品質管理・投与まで院内完結し、患者様の負担を最小限に抑えることが可能です。治療は外来で行い、入院の必要はありません。


銀座鳳凰クリニックの院長 永井恒志
銀座鳳凰クリニック院長 永井恒志

銀座鳳凰クリニックは、患者様一人ひとりのがんの状態やご希望に合わせて、そのときどきで最適な治療をきめ細かくご提案しています。


標準治療が難しいと診断された方や、治療の選択肢に迷われている方も、まずはお気軽にご相談ください。






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