乳がんの転移・再発 ― 症状と治療の選択肢

乳がんは、女性に最も多いがんのひとつであり、治療技術も年々進歩しています。しかし、治療が一段落した後でも、「再発」や「転移」という言葉に不安を抱える方は多いと思います。

本コラムでは、乳がんの転移・再発とは何か、どのような症状があるのか、そして治療の選択肢についてわかりやすく解説します。

■記事執筆

銀座鳳凰クリニック院長

永井 恒志

医師、医学博士（東京大学）、東海大学大学院客員准教授。東京大学医学部附属病院内科研修医を経て、東京大学大学院医学系研究科の文部教官時代に大型放射光施設SPring8を利用した多施設共同研究（国立循環器病研究センター、東海大学ほか8研究機関）をリードし、多数の国際医学雑誌に論文を発表した。

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目次

1. 「再発」と「転移」の違い

2. 乳がんの主な転移部位とその症状

3. 転移・再発した乳がんは「治らない」のか？

4. 再発・転移乳がんの治療選択肢

5. 治療方針の決め方

6. まとめ：再発・転移＝終わり、ではない

「再発」と「転移」の違い

再発：手術や治療でがんがいったん消失した後、同じ部位や近くの組織に再びがんが現れること。

転移：がん細胞が血液やリンパの流れに乗って他の臓器（骨・肺・肝臓・脳など）に拡がること。

乳がんは、再発よりも遠隔転移によって見つかるケースが多く、それは「進行再発乳がん」とも呼ばれます。

乳がんの主な転移部位とその症状

乳がんは、以下の臓器への転移が起こりやすいです。

転移先	主な症状
骨	骨の痛み、背中や腰の痛み、骨折しやすい
肺	咳、息切れ、胸の痛み
肝臓	右上腹部の張り、黄疸、だるさ
脳	頭痛、吐き気、視覚障害、けいれん

※症状が出ないまま進行することもあり、定期的な検査（CT、MRI、血液検査）が重要です。

転移・再発した乳がんは「治らない」のか？

転移・再発した乳がんは、根治（完全に治す）することは難しいとされています。しかし、長期間がんと共に生きる「慢性病化」も可能になってきています。

実際、治療により5年、10年と病状をコントロールできる方も増えており、「治らない＝すぐに命に関わる」わけではありません。

再発・転移乳がんの治療選択肢

再発・転移乳がんの治療は、以下のような選択肢があります。

① ホルモン療法（ホルモン受容体陽性の場合）

・エストロゲンの働きを抑える治療

・効果が高く、副作用が少ないのが特徴

② 分子標的治療薬（HER2陽性の場合）

・トラスツズマブ（ハーセプチン）など

・HER2遺伝子を標的にがん細胞の増殖を抑える

③ 抗がん剤（化学療法）

・薬の種類を切り替えながら使用

・副作用に対する対策も充実してきている

④ 免疫療法

・TNBC（三陰性乳がん）の一部でPD-L1陽性の場合に使用

・免疫チェックポイント阻害薬との併用が注目されている

関連ページ：免疫チェックポイント阻害剤

⑤ 緩和ケア

・痛みや不安、不快感を取り除き、自分らしく過ごすことを支援

関連コラム：緩和ケアをすすめられた＝治療を終えるではない｜“生き方”を整える時間

治療方針の決め方

• がんの性質（サブタイプ）

• 再発・転移の場所と範囲

• 患者さんの体力・年齢・希望

• 治療経験と副作用歴

以上を総合的に見て、医師と相談のうえ、自分に合った治療を選ぶことが大切です。

まとめ：再発・転移＝終わり、ではない

再発や転移がわかったとき、多くの方が「もう終わりだ」と感じてしまうかもしれません。しかし、今は乳がんの治療が大きく進歩し、「がんと共に生きる」ことが現実的になっています。

• 「治す」から「コントロールする」へ

• 「不安」から「選択」へ

大切なのは、がんの状態や体調に合わせて、無理のない、自分らしい治療と生活を選んでいくことです。

再発・転移した乳がんの治療も当院へご相談ください。

銀座鳳凰クリニックは、「患者の『生きる』にすべてを尽くす」をモットーに、がん患者さまへ免疫細胞治療を提供しています。

銀座鳳凰クリニックの受付

当院では、患者様ご自身の血液から免疫細胞を取り出し、体外で増殖・活性化させた後、再び体内に戻すことで、免疫細胞ががん細胞をより効果的に認識し攻撃するよう促す治療を行っています。

主な治療法には、WT1樹状細胞ワクチン療法、NK細胞療法、免疫チェックポイント阻害剤などがあり、患者様一人ひとりの状態に合わせて最適な治療法を提案しています。

当院の治療法	主なメリット	主な副作用・リスク
WT1樹状細胞ワクチン療法	副作用が少ない／幅広いがん種に対応／標準治療と併用可	軽度の発熱・発赤
α-GalCer+樹状細胞ワクチン療法	強力・持続的な免疫活性化／副作用が少ない	軽度の発熱・発赤
高度活性化NK細胞療法	拒否反応が少ない／QOL維持／再発・転移予防	軽度の発熱・発疹
免疫チェックポイント阻害剤	根拠確立／一部で劇的効果／進行がんにも有効	免疫関連有害事象（irAE：免疫が過剰に働き、正常組織にも炎症が起こることがある。定期的な検査・管理が必要。）

軸となるWT1樹状細胞ワクチン療法は、標準治療が難しい末期がんや複数の臓器に転移した場合にも適応が期待でき、放射線治療や他の治療法との併用も可能※です。

※治療の適応や併用の可否に関しては医師にご相談ください。

また、院内に細胞培養加工施設を併設しているため、採取から培養・品質管理・投与まで院内完結し、患者様の負担を最小限に抑えることが可能です。治療は外来で行い、入院の必要はありません。

銀座鳳凰クリニック院長　永井恒志

銀座鳳凰クリニックは、患者様一人ひとりのがんの状態やご希望に合わせて、そのときどきで最適な治療をきめ細かくご提案しています。

標準治療が難しいと診断された方や、治療の選択肢に迷われている方も、まずはお気軽にご相談ください。

＼ 初回医療相談は無料です。／

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03-6263-8163

（受付 10:00-17:00※祝日休み）

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