大腸がんのステージ分類と生存率
- 院長 永井 恒志

- 7月10日
- 読了時間: 5分
更新日:10月22日

大腸がんは、早期に発見すれば高い確率で治るがんですが、進行すると命に関わることもあります。治療方針や予後を考えるうえで重要なのが「ステージ分類」です。
このコラムでは、大腸がんのステージごとの特徴と生存率について、患者様やご家族にわかりやすくご説明いたします。
大腸がんのステージ分類とは?
大腸がんの「ステージ(病期)」は、がんの広がり具合を4段階(ステージ1〜4)に分けたものです。
病理診断や画像検査などの結果に基づき、TNM分類(腫瘍の大きさ・リンパ節転移・遠隔転移)によって決まります。
分類 | 内容 |
T(腫瘍) | がんが大腸の壁のどこまで広がっているか Tis:上皮内癌(粘膜内) T1:粘膜下層まで浸潤 T2:固有筋層まで浸潤 T3:漿膜下組織まで浸潤 T4a:漿膜を貫通 T4b:他臓器・構造物へ浸潤 |
N(リンパ節) | 近くのリンパ節に広がっているか N0:転移なし N1:1~3個のリンパ節転移または腫瘍沈着のみ N2:4個以上のリンパ節転移 |
M(遠隔転移) | 肝臓や肺など他の臓器に転移しているか M0:遠隔転移なし M1:遠隔転移あり |
大腸がん ステージごとの特徴

ステージ0(粘膜内がん)
・がん細胞が粘膜層の中にとどまっている
・ポリープ型が多く、内視鏡で切除可能
・ほぼ100%に近い治癒率
ステージ1
・がんが大腸の粘膜下層または筋層まで広がっているが、リンパ節には転移なし
・外科手術により根治可能
・5年生存率:約90%以上
ステージ2
・がんが大腸の壁を超えて広がっているが、リンパ節転移はない
・手術での切除が基本だが、再発リスクがやや上がるため術後に抗がん剤を用いることも
・5年生存率:約80〜90%
ステージ3
・がんがリンパ節に転移している状態
・手術後に抗がん剤治療(補助化学療法)を行うことが多い
・5年生存率:約60〜75%
ステージ4
・肝臓や肺など、他の臓器に遠隔転移している状態
・根治手術は困難なことが多く、抗がん剤や緩和治療が中心
・5年生存率:約15〜20%
ステージによって変わる治療方針

ステージ | 主な治療法 | 補足 |
0・1 | 内視鏡切除 or 手術 | 基本的に治癒可能 |
2 | 手術+場合により抗がん剤 | 再発予防が目的 |
3 | 手術+抗がん剤 | 再発リスクが高く、治療強化 |
4 | 抗がん剤・分子標的薬・緩和ケア | 延命とQOLの維持が中心 |
生存率は「平均値」―個人差は大きい
生存率はあくまで統計的な「目安」にすぎません。同じステージであっても、がんのタイプ(分化度や遺伝子変異)や患者様の体力、治療内容によって結果は大きく異なります。
特に近年は分子標的薬や免疫療法の進歩により、ステージ4でも長期生存される方が増えてきています。
まとめ:正しく知ることで前に進める
「ステージ=死の宣告」と捉える必要はありません。今や大腸がんは、ステージに応じて適切に治療すれば、十分に克服できる病気です。
早期発見に越したことはありませんが、たとえ進行していても諦めず、治療選択肢を正しく知り、前向きに過ごすことが大切です。
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当院はがん免疫療法を専門とする自由診療のクリニックです。
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当院では、患者様ご自身の血液から免疫細胞を取り出し、体外で増殖・活性化させた後、再び体内に戻すことで、免疫細胞ががん細胞をより効果的に認識し攻撃するよう促す治療を行っています。
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副作用が少ない/QOL維持/再発・転移予防 | 軽度の発熱・発疹 | |
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