末期の大腸がん ― 症状・治療・余命について
- 院長 永井 恒志
- 7月3日
- 読了時間: 6分

大腸がんは、日本人に多いがんのひとつで、早期発見であれば完治が期待できます。しかし、「末期(ステージ4)」と診断された場合、多くの方が不安や恐怖を感じるのは当然です。
本記事では、末期大腸がんの状態、症状、治療法、そして余命や生活の工夫について、患者様とご家族に向けてわかりやすく解説します。

「末期の大腸がん」とは
「末期がん」とは、がんが進行して他の臓器(肝臓・肺・腹膜など)に遠隔転移している状態を指します。大腸がんの場合、ステージ4がこの「末期」にあたり、根治手術(がんをすべて切除する手術)が困難な状態です。
主な症状と日常への影響
末期の大腸がんでは、以下のような症状が現れることがあります。
便通異常(便秘や下痢)
血便・粘液便
腹痛や腹部の張り
体重減少・食欲低下
倦怠感・貧血
肝転移による黄疸・肝機能障害
肺転移による咳・息切れ
がんが進行しても症状が軽いケースもあり、「知らないうちに進んでいた」ということも少なくありません。
末期の大腸がんの診断と検査

末期大腸がんの診断には、以下の検査が用いられます。
大腸内視鏡検査
CTやMRIなどの画像検査
PET-CTでの転移部位の確認
血液検査(CEAやCA19-9などの腫瘍マーカー)
これらの検査により、がんの広がりや臓器への影響を正確に評価します。
末期の大腸がん、治療の目的は「延命」と「症状緩和」
末期大腸がんでは、がんを完全に治すことが難しいため、「がんの進行を抑えながら生活の質を保つ」ことが治療の目標になります。主な治療は以下の通りです。
① 抗がん剤治療(化学療法)
大腸がんではFOLFOXやFOLFIRIなどの薬剤がよく使われ、分子標的薬(アバスチンやエルプラット)との併用が一般的です。これにより、がんの進行を一定期間抑えることができます。
② 免疫療法
MSI-H(マイクロサテライト不安定性高)という遺伝子異常を持つタイプでは、免疫チェックポイント阻害剤(ニボルマブなど)が効果を発揮する可能性があります。
\ 免疫チェックポイント阻害剤の治療について/
③ 緩和ケア
痛みや呼吸困難、食事の問題、精神的不安などに対して、緩和医療が導入されます。訪問医療や在宅ケアと併用することで、穏やかな生活を支えることが可能です。
末期の大腸がんの余命と生存率
個人差は大きいですが、統計的には以下のような数値が示されています:
5年生存率:約15〜20%(ステージ4大腸がん全体)
抗がん剤治療を行った場合の中央値生存期間:約20〜30ヶ月
治療なしの場合は数ヶ月以内で進行することも
ただし、最近はがんと共に「数年単位で生活できる」時代になってきています。
生活の工夫と家族の役割

末期がんであっても、自宅で穏やかに過ごせる方もたくさんいます。以下の工夫が大切です。
食事を無理に取らせない、食べたいときに少量ずつ
睡眠と休息の確保
便通の調整や痛みの管理
家族や医療者と定期的に意思疎通する
また、家族の「寄り添い」が大きな精神的支えになります。患者さんの気持ちを尊重しながら、過ごしやすい環境づくりを心がけましょう。
最後に:選べる道はある
末期大腸がんでも、「ただ待つだけ」ではなく、できる治療は多くあります。延命や症状緩和、生活の質の維持を目指す治療は、決して無意味ではありません。
自分らしい生き方を大切にしながら、信頼できる医師とともに治療方針を考えていきましょう。セカンドオピニオンも、納得のいく決断をするうえで有効です。
セカンドオピニオンを受け付けています。
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当院の治療法 | 主なメリット | 主な副作用・リスク |
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強力・持続的な免疫活性化/副作用が少ない | 軽度の発熱・発赤 | |
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